一学期試験★ [余談]
90分という長くて短い?時間、
早々に30分で「棄権」と書いて提出する人もあれば、
60~80分くらいのちょうど良い時間で、びっちり完成させて提出する人もあれば、
90分のチャイムが鳴ってかろうじて提出する人もあり。。。
まろの大学時代を、ふと回想しながら、試験監督してました。
まろは、おもに70分程度で提出する人でしたね。
けっこう真面目さんだったらしく、下準備をしていくので、当日はおもに書き写すだけ。
だから、基本的に30分の退出許可が出たころに書き終えて、そこからゆっくりじっくり丁寧に書き直したりしてました。
でもま、今回のまろのテストは難しかったらしいです。特に1年生には。
けれど、2年生は良くできてましたね~!
そして、なぜか英文科の1年生も良くできてました。すばらしい!
第一問 「物語の出できはじめの祖なる竹取物語」という言葉は、何の作品に出てくるか。
答え 源氏物語
第二問 「藤原道頼と帯刀」「光源氏と惟光」のような関係を何というか。
答え 乳兄弟
第三問 「うつほ物語」の題名の由来を、原文を訳すように説明せよ。
答え 杉の木が四本集まっていて中が空洞のようになっている、そこで秘琴伝授をしたことから。
第四問 「いづれの御時にか、女御更衣あまたさぶらひたまひけるなかに」という語から何がわかるか。
答え 中宮(キサキ)が定まっていないという、不安定な後宮状況。
第五問 光源氏に親王宣下をしない理由で、「世の疑ひ」とあるが、これは何のことか。
答え 親王は皇位継承権があるため、光源氏による皇位継承争いの可能性。
とまあ、知識篇としてはこんなところを聞きました。
そして、あとは現代語訳の問題を五問ほど。
ちょっと難しくしすぎたらしく、できていない人が多かった。
出来て当然の問題を用意したつもりなのに、意味がありませんでした。残念です。
とはいえ、先ほども言いましたように、
日文の2年生や英文の1年生、史学もかな、よく出来ていましたよ。
1年生にはきつかったみたいですね。
まだ、論述には目を通していませんが、こちらこそメインですので、
楽しみに拝読させていただきます。
コラム⑩ 辞書項目 [余談]
というのも、論文を書いていたのです。
一つのことをすると、ほかのことができなくなるタチで(^^;)
さて、ご無沙汰といえば、辞書項目。
数年前に依頼されて、執筆したのですが、それがなかなか本にならず。
一度連絡をとってみたら、「今、止まっているところですが、いつか出版します」とのこと。
それが久しぶりに、連絡がきました。
いよいよ出版する運びとのこと。
校正が届き、できるだけ早く返してあげたほうがいいだろうな、と思い、すぐ返送。
出版されるのは、結局いつになることでしょうか。
とりあえず、
楽しみです。
コラム⑨ 枕草子の中で。 [余談]
念のため、『枕草子』とは、平安時代中期(約1000年~くらい)に、清少納言が書いたものですね。
では、一応原文を紹介します。
あなた、こなたに住む人の子の、四つ、五つなるは、あやにくだちて物取り散らし、そこなふを、引きはられ制せられて、心のままにもえあらぬが、親の来たるに所得て、「あれ見せよ。や、や。母」など、ひきゆるがすに、大人ともの言ふとて、ふとも聞き入れねば、手づからひきさがし出でて、見騒ぐこそ、いとにくけれ。それを、「まな」とも取り隠さで、「さなせそ。そこなふな」などばかり、うち笑みて言ふこそ、親もにくけれ。
この話は、どんな内容かというと。。。
四つ五つぐらいの子供が、(親がいなけりゃ止められるけれど)親がいるということに得意がって、「お母さん、あれ見せて」など言って、おしいれに仕舞ってあるものを出そうとする。親は、友達とおしゃべりに夢中。そのため、子供の相手をろくろくしない。すると、子供は勝手におしいれから物を取り出してきて、そこらあたりに散らかす。
親は親で、そんな子供に「そんなこと、しちゃだめよ」など言うけれども、言うだけで、本気で取りあげようともしない。
という感じでしょうか。
近頃の親の問題が取りざたされていますが、「なんだ、平安時代から、親のていたらくさは言われていたんですね」、って感じです。
そういえば、まろの近所に、若奥様がいらさいます。
その若奥様連中、きっと仲がよろしいのでしょう。。。
お互いの子供のことを、名前で呼び捨てにしていました。
まろが古くさい人間なのでしょうか。
よそさまの子供を、名前で呼び捨てなんて、、、とてもじゃありませんができません。
また、夜遅くのゲーセンで、子供を連れ回している親。
夜遅くのファミレスで夕飯を食べているらしき親子。
電車内あるいはスーパーでかけまわる子を怒らない親。
子供が泣いてても、携帯で話している親。
子供をほっぽらかして、メールしている親。
とまぁ、さまざまな問題行動を起こす(と、勝手にまろは思っている)親が多いですね。
こういったことを、つらつらと書き連ねていくと、現代版『枕草子』ができそうな気がします。
高校のとき『枕草子』は「随筆」です、と習いましたが、大学では、むしろ「女房日記」の体である、と習いました。
当時まろは、なるほどそうか~~~、と思っていましたが、
今改めて読み直してみると、やっぱり日記というよりは、随筆なのかな、という気がしてきました。
もっと言えば、「ブログ」かな? みたいな。
現代版『枕草子』、暇ができたら、ぜひ作ってみたいものだ、と思いました。
(あれ? すでに誰か作っていたかな?? 今度調べてみよう・・・)
コラム⑧ 卒業式 [余談]
卒業式。
何度見ても、感慨深いものですね。
近頃の親は、卒業式でもざわざわと騒がしい、と聞いていましたが。
この学校の親は、そんなことはありませんでした。すばらしい。
そして生徒の一人がこんなことを言ってくれました。
「先生のおかげで古典が好きになったんだよ」
なんてまぁ愛らしいことを言ってくれるじゃぁ、ありませんか。
感激しました。
そのために、まろは予習をいろいろ考えて、毎回の授業に臨んでいるのですよ。
その甲斐があったというものです。
うれしくて、言葉になりません。
読書離れ、古典離れに拍車がかかっている現在。
受験科目からも古典が外されていく現状。
そんななかでも、ただ単純に
話がおもしろい、
そう思ってもらえることがどんなにうれしいことか。。。
古典離れに少しでも歯止めをかけること。
それがまろの使命です。(少し大げさですが)
コラム⑦ 受験シーズン [余談]
なんだか、しっかり続けられません。
これから約一年、博論が迫っており、ますます書けそうもありまへん。
そんなこんなでいるうちに、一年間見ていた高校三年のおなご達は、続々と大学に決まっており、卒業式も間近になっております。
今年は結局『源氏物語』しかできませんでしたなあ。
『紫式部日記』とか、『蜻蛉日記』などなども扱いたかったのですが、なにぶん時間がたりません。
現代語訳を渡してしまう、という手もあるのですが、自分の力でまずは見ていくという作業がおろそかになるので、できるだけやりたくはなく。
でも、現代語訳を渡さないとなると時間ばっかりくってしまう。
今年は上のクラスを担当したので、現代語訳を写すのに一生懸命になってしまう、という生徒がいなかったのは良かったことですが、それでもやはり時間はかかってしまうもの。
毎年、この葛藤に悩まされます。。。
来年度は古文を教えません。(学校では。)
ざんねんです。
非常にざんねんです。
私は高校生に古文を教えるのだけが楽しみなのに。。。
本当にざんねんです。。。(涙)
と、愚痴はこのくらいにしておいて。
一人の生徒に、小論文の添削をしていました。
公募推薦のときからお願いされて、見ていてあげたのですが、公募は残念ながら×でした。
一般入試も受けるということで、数回添削指導をしてあげていました。
が、出来としては、並ぐらいでしょうか。
最初は、小論文にもなっていなかったので、正直めんくらってしまいましたが、だんだんとコツを覚えていってくれて、
結果、、、、
合格!!!!!!!!!!!
立派です。
非常に立派です。
しかも、添削指導があったからです、だなんてお礼まで言ってくれました。
そんな、、、、まろのおかげなんかじゃぁ、ありませんよ。
コツをつかんでいけるだけの素養があったということ。
めげずにがんばったという努力。
すべてあなたの力です。
それにしても、こういう喜びが味わえるのが、教師の醍醐味だなあと、改めて実感しました。
生徒の喜びは、まろの喜びです。
受験シーズンは、こういう経験と、金八ドラマによって、「教師とは」・・・を考えさせられます。
生徒のがんばりに負けぬよう、日々精進を心に誓うまろでした。
コラム⑥ 期末試験採点。 [余談]
コラム④で書いた試験のことについて、採点が終わりました。
今回は、中間であまり取れなかった人もがんばり、上の方の人たちにはちゃんと高得点を取ってもらおうと思って作ったため前回よりも上位層の点数が伸び、なんと平均点が中間よりも上がってしまいました。。。
こりゃ誤算。
・・・というよりも、ちゃんと難しめの問題も組み入れているのに、なぜ平均的に点数を取っていくのだ、あの子たちは。化け物か。
でも、ちゃんともっと伸びる子が、つまらないところでミスったりするので、ぐい~~んと伸びた高得点には至らず。残念。90点台が出ませんでした。がっくし。
平均点は、たぶん76~7くらい。
学年全体からすれば、70点以上を取っている人たちのクラスなので、こうなっちゃうのも当然かもしれないが、まろとしては、67くらいを目指していたのに。
う~ん。なんか、うまくいかないなあ。
とはいえ、生徒たちのがんばりの結果だと思えば、それもまた嬉し。
あとは、一学期の成績を出すだけだ。
どうなるかなあ~。
楽しみだ。
コラム⑤ 独断、模試解説(感想?)。 [余談]
今日、生徒に模試の問題を持ってきてもらって、解いてみた。
う~ん、結構難しめに作ってある、と思いました。
ちょっとやそっと、単語を知ってるぐらいでは、歯が立ちませんな。
うまいこと、ひっかけもありますし。
文章も、注も見て、人物を確認しながらじゃなきゃいけないから、ちょっとめんどうくさい。
この手の文章は、頭が拒否するってことがあるので、訓練が必要です。
今回の文章は「増鏡」でした。
人物関係や当時の歴史などを少しくらいかじっていると、助かったかもしれないけれど、日本史でもあんまり狙われないところなんじゃないかと思うので、この時代の知識を期待するのは難しいかも知れません。
問1の単語は、できてほしいところ。文脈からも判断しやすいところなので。
問2は、できてほしい問題です。
問3は、どちらも知識として覚えてないと、とれないと思います。
問4も部分点くらいは持って行ってほしいですね。ここらへん、ちょっと人物が入り乱れ始めるんだけど、文章の最初から、これはこういう人、この場面はこういう展開、、、と一つずつゆっくりなぞっていかないと、もう誰が誰やら(怒)となる人が多いかも。
問5は、言葉だけからは解きづらいです。文脈判断に多くゆだねられるので、問4までが??の人はおそらく解けないと思います。
問6は「る」「べき」には多くの人が気づくでしょうけど、「に」を落としてしまう人が多かったのでは?と思います。
問7は、ひっかけ、と感じる人も。なんとなく読んでいった人は、イを選んだのではないでしょうか。「しろしめす」という言葉がポイントになってくるわけだけど、これは文章中の後ろから7行目にもある「しろしめさすることを」というところが訳せてると、大夫違う。ここの箇所は比較的読みやすいので、ここから判断すれば、答えは導けるはず。
とまぁ、こんな感じでした。
レベル的に言えば、全国の高校三年生のレベルで、中の上、、かな?と思います。やや難しいです。
でも、夏休みを充実して過ごせば、二学期には、たやすく解けるようになってると思いますよ。
まだ期末試験は続きますが、夏休みも受験生として、たまには休憩も入れながらも、力一杯過ごしてがんばってほしいと思います。
意外とがんばってる時期って、大変でも楽しいものなんですよね。
まろも、高校のうちでは三年の時が一番楽しかった!
生活にけじめがあるというか。
遊びもするけど、みんな当たり前に学ぶときは学ぶ。目的をそれぞれが持っているときって、お互いに輝けて、そのときも楽しいし、後から思いかえしてみても青春として残るんですよね。
コラム④ 明日から期末試験です。 [余談]
いよいよ、明日から期末試験が始まります。
中間試験のときには、応用問題を難しくしすぎて、頭の良い子たちもなかなか手こずっていたので、今回は満点は難しくとも、90点台は行けるよう考えて作ってみました。
明日その試験があります。
応用問題は、過去問ではなく、自分なりに、みんなができそうな問題を作ってみたので、どうなることか半分楽しみ、でも半分不安。
推薦のかかっている子もいるから、ぜひとも力を尽くしてもらいたいものですね。
みんな、がんばれ!!!
ところで、今日生徒がぞくぞくと模試の結果が悪かったと言ってきた。
河合塾の模試らしいのだけど。まだ問題を見てないので、どれくらいのレベルなのかわからず。
確認してみないとなあ。
次から次に、「どうしたらいいの~?」と聞いてくるから、それぞれに合わせた対策を説いていく。
やっぱり、重要なのは「答え合わせ」なんだよね。結局。
ここで、どれだけのことを身につかせたかで、次の模試の結果が変わるといっても過言ではない。
そして、古文はとにかく「慣れ」も重要ですから、一文一文を「一期一会」の気持ちで、しっかりと現代語訳してもらいたい。現代語訳がきちんとできれば、「単語」も「文法」もすべての復習ができたことになるんですから。
まろ自身、どうやってできるようになったんだかなあ。
いつの間にやら読めるようになってた、という具合なもので。
とはいえ、学問に近道はなし!!簡単に上達する方法など無いでしょう。
・・・ということは知りつつも、彼女たちのために、できるだけ効率的な学習方法を教えてあげたいものだ。
彼女たちには古文以外にも山ほどやることがあるんだしね。
二学期の授業は、「上達」ということも視野に入れて、でも「楽しく」をモットーに、展開していけるようにしたいな。と思ってます。
それに、彼女たちにとっては二学期で授業が終わりになるので、大部分の人にとっては、最後の古文の授業になるかもしれないわけです。ぜひとも「記憶に残る」授業を心がけていきたいです。
二学期は、『源氏物語』の続き。「野分」の場面を扱います。
紫の上垣間見シーンですが、描写がとても美しいので、まろは好きです。
それにしても、長い夏休みも、きっとあっという間に終わってしまうんだろうね。
充実した日々を送りたいものです。かしこ。
祝!!1000アクセス♪ [余談]
とうとう、1000アクセスをいただくことができました~。
なんだかんだで嬉しいものですね、こういうのって!
冬休み中に二学期の授業内容をまとめようかと思っていたのだけれど、できまへんでした。
休みは明日で最後です。
それはとてもとても悲しいのですが、かわいいかわいい生徒たちに会えるのは楽しみ。
それに、昨日とても嬉しいことがあったので、カラ元気★です。
では、今回は古典講座と何ら関係ない内容なので、このへんで失礼しやんす。
コラム② 明けましておめでとうございます。 [余談]
明けましておめでとうございます。
……でも実は、カウントダウンができなかったのだ。
いつもそれだけを楽しみにしていたのに。。。
いつの間にやら、年は明けていた。さびしい。
さて、新年ということで、『うつほ物語』から新年の様子をちょいとご紹介します。
かくて、ついたちの日になりて、殿の君たちより始めて、十所あまり一所、北のおとどの東の面に並み立ちて、宮・おとど拝み奉り給ふ。しばしあれば、宮たち四所、いと清らに装束き給ひて、女御の御前に参り給ふ。右大将、うち次ぎて参りて、拝み奉り給ふ。宮たち、大将殿に参り給ひぬ。青色に蘇枋襲(すほうがさね)着たる童部、御褥(しとね)参り、物参りなどす。御酒参らむとするほどに、十の宮に御かはらけ持たせ奉り、かく書きて出だし給へり。
今日のごとわが思ふ人と円居していく世の春をともに待ち出でむ
とて、大将に奉り給ふ。大将、宮を掻き抱きて、かはらけを見て、かく聞こゆ。
円居して今日待つことは変はらじを春の来ざらむ年はありとも
と聞こえて、かはらけ度々になりぬ。(「蔵開」下巻・602頁)
*『うつほ物語』の本文は、『うつほ物語 全 改訂版』(おうふう社)から引用しました。
いつの時代も、まずはご挨拶から、なんですねぇ。
きらびやかに着飾って、屋敷のご主人・ご婦人にご挨拶をし、その後は重要な面々に会いに行く。
そして、十の宮が詠んだ歌はこんなかんじ。
「今日のように、私が大切に思う人との団欒を、春が来るたびに待つことにいたしましょう。」
すると大将がこう返事をします。
「団欒をする今日この日を待ち遠しく思うのは、いつまでも変わることがございませんよ。たとえ、春が来ない年があろうとも……」
新年とは、今も昔も人間関係を再確認する時なのですなぁ。。。
PS
しかしまろは、今年の挨拶を普段着でしちゃいました。明日もおNEWの服など考えとりゃせんわい。
新年のシャキッとした感じを、まろはとうの昔に捨ててしまったようで……。
来年こそは……。(←鬼に笑われます)